イベント内で使用したセリフを抜粋して、以下に記載いたします。
【ブリテイン広場】
◆テオドール
お集まりいただき、ありがとうございます。
私はテオドール・カスパー。治療院で医師をしております。
本日は、一人の患者を救うため、皆さんのお力をお借りしたく参りました。
少し長い話になりますが、聞いていただけますか。
患者の名はドロテア。
彼女は十代の頃に事故で重傷を負い、それから長い年月、治療院の寝台で眠り続けています。
彼女は自分で身体を動かすことはできません。
言葉を発することも、表情を変えることもできない。
診察記録には、ずっと「意識なし」と記録されてきました。
ですが、私はその診断に疑問を持っています。
診察中、彼女の瞼を開けて反応を確認したのですが、
私が動かした灯りを彼女の瞳が追ったのです。
はじめは反射だと思いました。
そこで、聞こえているなら視線を右へ、違うなら左へ動かしてほしいと伝えました。
彼女は、問いに合わせて視線を動かしました。
質問や順序を変えながら、何度も確認しました。
偶然ではありません。
ドロテアさんには意識があります。
私たちの声を聞き、言葉を理解し、自分の意思で答えようとしている。
ただ、その意思を身体へ伝える道が失われているのです。
私は医師です。
本来なら、医術によって彼女を救うべきなのでしょう。
ですが、今の医術では彼女の身体を元どおりにすることができません。
調べられる治療法は、すべて調べました。
そのうえで、一つだけ可能性を見つけました。
私の祖父は機巧研究者でした。
人の意思が発する信号を読み取り、思考でオートマタを動かす研究をしていたのです。
当時は実用にならない空論だと笑われ、祖父も完成を公表しないまま亡くなりました。
ですが研究資料と試作機は、郊外の旧屋敷に残されているはずです。
祖父の研究が使えるなら、ドロテアさんの意識をオートマタに移すことができるかもしれない。
生身の彼女が考え、その意思で離れた場所にあるオートマタを動かせるかもしれない。
歩くことも話すこともできなかった彼女に、新しい手足と声を届けられるかもしれないのです。
ただし、旧屋敷へ向かう道は長く放置されています。
周辺には魔物が増え、旅人も近づかなくなりました。
私一人では、屋敷へ辿り着くことすら難しいでしょう。
お願いします。
私を祖父の屋敷まで護衛していただけませんか。
研究が残っている保証はありません。
見つかったとしても、ドロテアさんを救えるとは限りません。
それでも、彼女が救いの手を求めていると分かった以上、何もしないまま諦めることは
できないのです。
ありがとうございます。
それでは、祖父の屋敷へ向かいましょう。
ゲートを出しますので、移動先で落ち合いましょう。
【旧屋敷へ続く山道】
◆テオドール
この道を通るのは、子供の頃以来です。
以前は荷馬車も通れたのですが……ずいぶん荒れていますね。
祖父は人付き合いを好まない人でした。
研究へ集中するため、わざわざ街から離れた場所に屋敷を構えたそうです。
私も、祖父の研究内容を詳しく聞いたことはありません。
幼い私には、動かない人形と難しい図面ばかりに見えました。
まさか、その研究に縋る日が来るとは思いませんでした。
……止まってください。
茂みの中に何かいます!
(モンスターと戦闘)
◆テオドール
皆さん、ご無事ですか。
やはり、皆さんにお願いして正解でした。
私だけでは、この道を越えることはできなかったでしょう。
屋敷はこの先です。
さあ、行きましょう!
【カスパー家旧屋敷】
◆テオドール
……着きました。
ここが、祖父の暮らしていた屋敷です。
だいぶ傷んではいますね…
でもまだ中へ入れそうです。
(屋敷へ入る)
家具には触れないでください。
床も腐っているかもしれませんので注意してください。
これは……。
祖父の研究室が、そのまま残っている。
オートマタ……。
祖父が残した試作機です。
そしてこっちは祖父の残した資料ですね、
読んでみましょう。
*ぺらり*
「被験者の脳波および神経信号を接続装置で読み取り――」
「演算核を介し、人型機巧の運動命令へ変換する」……。
これだ!!
祖父は本当に、思考でオートマタを動かす方法を見つけていたのです!!
クリスタルコアが被験者の意思を読み取り、離れていてもオートマタへ伝え、
オートマタが見たものや聞いた音も、装置を通じて被験者へ戻されます。
つまり、この機体をドロテアさんのもう一つの身体にできるのです!!
ドロテアさんは自分の身体を動かせません。
ですが、意思そのものが失われたわけではありません。
祖父の装置なら、彼女の意思が届く新しい道を作れるかもしれません。
*ぺらりぺらり*
……待ってください。
起動条件が記されています。
思考信号を遅れなく処理するには、通常の動力では出力が足りない。
高純度の「クリスタルコア」が必要、とあります。
*ぺらりぺらりぺらり*
ありました。
イルシェナーにいる機械生命体、その住み家の奥に巨大な機械生命体がいる。
その巨大機械生命体の中に、必要な純度と容量を持つコアが使われている。
祖父はそこから研究用のコアを入手していたようです。
*思案中*
私と共に遺跡へ向かい、クリスタルコアの入手に力を貸していただけませんか。
ですが、屋敷までの護衛とは比べものにならない危険があるでしょう。
それでも、お願いさせてください。
私と共に遺跡へ向かい、クリスタルコアの入手に力を貸していただけませんか。
……ありがとうございます。
祖父の記録に、遺跡へ通じる転移座標があります。
ゲートを出しますので、移動先で落ち合いましょう。
【機巧遺跡】
◆テオドール
ここが、祖父の記録にあった場所……。
あまり人が立ち入っていないはずなのに、まだ装置が動いています。
この先に巨大機械生命体がいる場所に通じるゲートがあるらしいです。
でもその前に、まずは道を切り開く必要がありそうですね…
こちらを侵入者と判断したようです!
皆さん、気を付けてください!
(モンスターと戦闘)
皆さん、お怪我はありませんか。
目的の機械生命体が、この先にいることは間違いありません。
先に進みましょう!
(最奥へ移動)
ここが、最終区画です。
祖父の記録によれば、ここから巨大機械生命体のいる場所にゲートを出せる様です。
それではレバーを引いてゲートを開きます。
*ガチャンッ!!*
皆さん、宜しくお願い致します!!
【ボス戦】
◆テオドール
あれが遺跡の守護機……。
胸部を見てください。
あの結晶が、クリスタルコアです。
大きさも純度も、祖父の記録と一致しています。
来ます、皆さん気をつけて!
(ボス戦)
◆テオドール
……停止しました。
皆さん、ご無事ですか。
ゴソゴソ
……これです。
高純度のクリスタルコア。
損傷もありません。
これなら、祖父のオートマタを起動できます。
クリスタルコアを回収しました。
治療院へ向かいましょう!
【治療院】
◆テオドール
皆さん、お待たせしました。
オートマタの修復と、接続装置の調整が終わりました。
クリスタルコアも安定しています。
あとは、ドロテアさんの神経信号をオートマタの接続して……
ドロテアさん。
私の声が聞こえていますか。
あなたの治療のために祖父の装置を見つけてきました。
これから、あなたの思考を隣のオートマタへつなぎます。
始めましょう。
◆オートマタ
*ヴン……ピッ!*
INITIUM SYSTEMATIS…(システム初期化開始…)
SYSTEMA OPERATIVUM EXCITATUR.(オペレーティングシステム起動中。)
SERVITIA PRINCIPALIA ACTIVANTUR.(主要サービスを起動中。)
SUBSYSTEMATA ACTIVANTUR.(サブシステムを起動中。)
SCRIPTA INITIALIA EXSEQUUNTUR.(初期化スクリプトを実行中。)
DIAGNOSTICA COMPLETA.(診断完了。)
NULLA VITIA CRITICA.(重大な異常は検出されませんでした。)
TRANSLATIO MENTIS INCIPIT…(精神転送開始…)
MENS RECEPTA.(精神データ受信完了。)
IDENTITAS CONFIRMATA.(個体識別確認完了。)
NEXUS NEURALIS STABILITUS.(神経接続を安定化しました。)
CONVERSIO SENSORIORUM INCIPIT…(感覚変換開始…)
VISUS …….. CONNEXUS.(視覚 …….. 接続完了。)
AUDITUS …… CONNEXUS.(聴覚 …….. 接続完了。)
TACTUS ……. CONNEXUS.(触覚 …….. 接続完了。)
OLFACTUS ….. CONNEXUS.(嗅覚 …….. 接続完了。)
GUSTUS ……. CONNEXUS.(味覚 …….. 接続完了。)
SENSUS OMNES CONNEXI.(全感覚器官の接続完了。)
SYSTEMA MOTORIUM CONIUNCTUM.(運動制御システム接続完了。)
CONCORDIA MENTIS ET CORPORIS CONFIRMATA.(精神と身体の同調を確認しました。)
VERIFICATIO FINALIS COMPLETA.(最終検証完了。)
SYSTEMA PLENE ACTIVUM.(全システム稼働状態。)
IMPERIUM TIBI TRADITUR.(制御権をあなたに移譲します。)
◆テオドール
ドロテアさん、聞こえていたら何か返事をしてみてください。
焦らなくて大丈夫です。
◆オートマタ
*fifififi……*
(ドロテアの意識がオートマタへ)
◆ドロテア
……テ……。
……テオ……ドール……。
◆テオドール
はい。
私です、ドロテアさん。
あなたの声が聞こえています。
ちゃんと、ここまで届いています。
◆ドロテア
……ずっと……聞こえて……いました……。
あなたが……話してくれたこと……。
◆テオドール
よかった、無事につながったようです。
◆ドロテア
……ありがとう……ございます……。
皆さんも……。
わたしのために……ありがとう……。
わたし……動いて……います……。
あなたを……見て……話して……。
夢では……ないのですね……。
◆テオドール
ええ。
夢ではありません。
その体はオートマタ、私の祖父の研究していたものです。
ドロテアさんの身体は、いまの医療技術ではまだ動けるようにすることはできません、
そのかわりに、ドロテアさんの意思で自由に動ける体をご用意しました。
あなたの意識は、今も寝台の上の身体にあります。
しかし、このオートマタはあなたの意思を世界へ届けるための、もう一つの身体です。
まだオートマタとつながったばかりでうまく体を動かせないかもしれませんが、
ゆっくりとなれていきましょう。
歩けるようになるまで、私が何度でも支えます。
◆ドロテア
テオドール……。
手を……貸して……ください……。
◆テオドール
はい、この手でよろしければ。
◆ドロテア
……触れられた……。
◆テオドール
おかえりなさい、ドロテアさん。
◆ドロテア
……ただいま……テオドール……。
(おしまい)
